児童家庭福祉と保育士

児童家庭福祉と保育士

児童家庭福祉と保育士

現在の日本は、「少子・高齢社会」と言われています。

 

日本の少子・高齢社会は、女性の高学歴化やそれに伴う晩婚化、
女性の社会進出などが背景にあるといわれ、
20世紀後半から世界的にも例のないほどのスピードで進行しています。

 

また、女性の「子供を産む・産まない」の選択が容易になり、
「産まない」という選択をしている女性が増えているということも
少子・高齢化の原因の一つとなっています。

 

一方で、子育てや子育ちがウマく行かないという問題も多くあります。

 

低年齢化した非行、青少年による犯罪も社会問題になり、
家庭における児童虐待などの問題も多く指摘されるようになっています。

 

学校では、いじめの問題、暴力問題、不登校、引きこもりなどの問題も深刻化しており、
さらには、父親や母親による「子殺し」のニュースも後を絶ちません。

 

古きよき時代は、「親がいれば子供は育つ。」とか「子どもは家庭で育てるもの」
という漠然とした認識がありました。

 

ですが、現在の子どもに関わる問題の多面に直面すると、
改めて子どもは「社会の宝」であるということを考えさせられます。

 

そして、このような状況の中、現代の日本では、
児童憲章や児童福祉法の理念に立ち戻り、
「社会全体で子どもを育てる」ということをもう一度考え、
その大切さを再認識することが必要だと言えます。

 

その際、保育士は、最前線でその役割を担っていく立場にあるといえるでしょう。

 

さて、現在の子どもと家庭を取り巻く状況は、
児童福祉法が施行された当時とは大きく違っています。

 

1947年(昭和22年)の児童福祉法施行当時は、
敗戦後の混沌とした社会情勢の中、
「子育て」が人間の当たり前の営みとして認識されていた時代でした。

 

ですが、敗戦後の経済復興が社会構造を大きく変え、
女性の就労、特に既婚女性の就労が増加し、
家庭生活に大きな変化がもたらされました。

 

同時に、核家族化も進行し、都市化・開発化はそれまでの地域社会情勢を揺るがし、
子供達が「育つ」場が失われていったのです。

 

今まで保育士は、保育所やその他の児童福祉施設で
日々児童の保育や擁護を行う者とされてきました。

 

しかし、このように社会が変化している現在は、
子どもの発達を支援する事だけでなく、
子どもの育ちの場である家庭への支援、
親の育児と就労の支援を含め、児童家庭福祉という領域が
保育士の役割に加わっています。

 

また、以前の児童福祉法は、「要保護児童」を対象としていましたが、
現在は、保育所や他の児童福祉施設を利用している子どもや家庭への支援も求められ、
地域社会における子育て支援という領域も保育士の関わりが期待されています。

 

2001年に保育士が児童福祉法において、
「専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護に対する
保育に関する指導を行なう事を業とする者」と法定化され、
保育士の地位を高め、専門性が確保されるようになりました。

 

そして、保育士には、社会のありようや変動についても理解を深めながら、
子育ちと子育てのよき支援者として活躍されることが期待されています。